「拝啓」と「敬具」意味と使い方
さて、今回の記事では「拝啓」と「敬具」意味と使い方の説明をしていきたいと思います。是非、参考にしてみて下さい。
基本的な使い方としては、
拝啓 ○○様
初秋の候、貴殿 ますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
さて、・・・・・・・・
敬具
…と、ビジネス文章やかしこまった際の手紙に使います。
目次
「拝啓」と「敬具」の意味
拝啓とはどのような意味なのでしょう。なんとなく「拝啓(はいけい)」ときたら「敬具(けいぐ)」、「前略」ときたら「草々」などセットで覚えてはいるものの、使い方に困ったことがあるはずです。拝啓とは、「お辞儀」を指します。 敬具とは、「敬意で結ぶ」という意味です。
拝啓を訓読みすると「おがみもうす」、敬具を訓読みすると「うやうやしくととのえる」となります。
つまり、「お辞儀をし、敬意を払って話を結ぶ」という意味になります。
書面での使い方
敬具と拝具が二つで1セットなのは、敬意を持った相手にきちんとした挨拶をするということです。ここで、間違えてはいけないことは日常会話、ビジネス会話の中では使わないと言うことです。敬意を払うからといって、対面で話し合いしている最中に「拝啓 部長○○様」と話始めるわけではありません。書面でのやり取りの中で、敬意を持った相手に対して使う言葉です。
また、前略は「取り急ぎ」という意味合い、草々は「粗略な様子」を意味する用語となっています。こちらも書面でのやり取りに使う言葉ですので、会話の中で使うことはありません。
「拝啓で書き起こし敬具で結ぶ」
「前略で始まり早々で終える」
と覚えておくと分かりやすいと思います。
「拝啓・敬具」と同じ使い方で「謹啓・敬白」という言葉もあります。謹啓・敬白は、地方自治体などが一般企業に対してお願い事がある際に送られてくる書面で目にすることがあります。「拝啓・敬具」よりもより丁寧な言葉が「謹啓・敬白」ですので、より丁寧にお願いしているということになります。
「拝啓」で、始まる文章を作成する際は、すぐに用件には入らず、時候の挨拶から入ることがマナーとなっています。急ぎ用件に入りたいときは、「前略」を用いることが一般的とされています。
「拝啓」で始まる例文
拝啓と書き始めたのであれば 時候の挨拶で続けますが、ビジネスとして会社担当者宛に作成するのであれば「貴社」、プライベートで個人に場合「貴殿」、から時候の挨拶に移ることが一般的です。
会社であれば「拝啓 金風の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。」といった様に、時候にあった言葉を入れていきます。
例えば、
1月 新春の候、初春の候
2月 余寒の候、向春の候
3月 冬の名残のまだ去りやらぬ時候、早春のころ
4月 桜花爛漫の候、陽春の候
5月 新緑の候、薫風の候
6月 梅雨の候、初夏の候
7月 猛暑の候、酷暑の候
8月 残暑の候、残夏の候
9月 初秋の候、黄葉の候
10月 秋冷の候、錦秋の候
11月 晩秋の候、紅葉の候
12月 師走の候、初冬の候
などの、時候にあいさつ文を添えて、起こし言葉、結び言葉として文章を完成させることが一般的です。
季節の移ろいに合わせて時候を変えるという面倒にも感じる挨拶ですが、これが日本の心であり書面の中にも季節感を出し、相手に敬意を払う心遣いとなります。
時候の次にくる挨拶など
時候の次にくる挨拶は、必ず敬いの言葉を入れなくてはなりません。「ご活躍のことと思います。」「ますますご健勝のことと思います」などです。
次に感謝の挨拶、「平素は、格別のお引き立てを賜り感謝申し上げます。」といった感じです。時候の挨拶、安否の挨拶、感謝のあいさつこの3つの組み合わせで時候の挨拶文ができています。
時候の挨拶の次に来るのが、起こし言葉「さて、」や「早速ではございますが、」などの本題につなげる文章です。
本文の後は、結び言葉で相手を気遣う「ご自愛ください」や突然の連絡に対して「乱筆お許しください。」などの気遣いの言葉で結びます。
用件を伝えるだけでも、これだけのステップが必要だからこそ、敬意のある相手に送る際に持ちいります。メールでのやり取りが増える中、この「拝啓・敬具」で始まる書面を見ることは減ってきました。けれど、時折届くお礼状に「拝啓」から始まる時候挨拶、お越し言葉、結び言葉を目にすると季節を感じ、またこの時期が来たのかと日ごろの忙しさも忘れてしまいます。手軽で便利なメールに慣れてしまったからこそ気がつく、文字の温かみや文面に現れる心遣いが心にしみてきます。
拝啓・敬具の遣い方があやふやになっている例
拝啓・敬具の遣い方があやふやになっている例をご紹介します。
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拝啓 秋の候、ますますご活躍だと思います。いつも大変お世話になり、ありがとうございます。
早速ですが、○○の件連絡いたします。 本題の内容それでは、宜しくお願いします。
敬具
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まず、季節といっても暦上の季節ですので「春・夏・秋・冬」を入れればいいというものでもありません。12ヶ月の時候に合わせた挨拶にしなければいけません。
次に、誰に対して活躍を思っているのかかいてありません。これでは失礼です。「貴殿」「貴社」など必ず相手を書かなければなりません。
そして、敬意を払うべき相手に「いつもお世話になり」は失礼です。敬意を払うのであれば別の言葉を選ばなければいけません。「いつもお世話になり」では、近しい相手、普段もやり取りの多い相手ということになります。
また、結び言葉が「宜しくお願いいたします」ではもの足りません。「ご自愛ください。今後とも宜しくお願いいたします」など、もっと丁寧にするべきだと思います。
ワンポイントアドバイス
言葉一つにしても、かしこまった相手に送るという緊張感を持って書面も作成しなくてはいけません。
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