知ってて当然!場面別の正しいビジネス電話対応マナー

ビジネスシーンでは、電話を受ける機会も電話をかける機会も多くあります。「先輩がそうしていたから」、「上司がしていたから」、「家ではこうだから」と間違った対応をしいてたことがあります。

ファミリーレストランで、注文を受けた若い女性の店員が、「ご注文を繰り返します。○○、○○・・・。以上でお揃いですか?」と確認をしてきました。揃ってないよ・・と突っ込みたくなる気持ちを抑えて、笑顔で「はい」と答えました。先輩であろう年配の店員が同じ言葉を使っている場面を目撃し、「周りの影響」なのだと感じました。接客対応だけでなく、電話対応でも同じことはありえるのです。その時々使うとよい言葉や行動があります。

日本語は、大変難しく相手や場面によって、話し言葉、書き言葉、丁寧語、謙譲語など使い分けていかなければいけません。年配の方が適切な言葉でも、若年層が使うことで失礼にあたる言葉にもなってしまいます。できる限り失礼のない対応を心がけたいところです。電話対応は、ある程度の場面を想定することができます。

その為、すぐに訂正し正しく使うことができると考えます。

・「うん。」から「はい。」への言葉のシフト

普段のビジネス対応電話で相手の話を聞く際は、あいづちをうちます。電話対応で相手も周囲も気になることは、相手の話を聞いているときの相槌です。プライベートでは、相槌を「うん。うん。」とうなずくようにしても失礼にも当たりませんし、相手との親しい間柄であればごくごく普通のことです。

ですが、ビジネスシーンではそういうわけにはいきません。相槌をするとき、「うん」とつかっていませんか?はっ!としたのであれば、今から「はい。」と相槌を打てるよう気をつけてみましょう。年配者(50代以上)の多い会社では、自身が相手よりも年上ということが多く対応の際の相槌や返事が「うん、うん」となっている場合が多くあります。年配者だから許されることであり、若年層にはまだまだ早い対応です。

・電話は受けるだけじゃない!切るときこそ本質が見える

3コール以内に電話を受ける。これは、社会人になり電話対応基本で教わっていることだと思います。

受けるだけでなく、切るとき何かに気をつけていますか?大抵の場合、受話器をそのまま置いてしまうのではないでしょうか?これは、相手に「ガシャン」と大きな受話器を置く音が聞こえていますよ。

そして、受話器を置く前に別の話をし始めていませんが?これももちろん相手に受話器が置かれるその瞬間まで聞こえています。これをされると相手は、「邪険」にされていると感じることがあります。どんなに慌てていても、受話器を置く、携帯の通話を切ったことを確認してから話始めましょう。

そして、受話器の置き方ですが、電話を掛けてきた相手から切ることがマナーとされています。けれど、年上の方や取引先の方より先に切ることは気が引けるというのであれば、「失礼致します。」と相手に伝えた後、心の中で「1、2、3」と数えて、受話器を直接置くのではなくまず、空いている手で切るようにし、その後受話器をおきましょう。そうすることで、相手に不快な「ガシャン」という音も、失礼な会話も聞こえることはありません。

電話を切るとき、本質が見えてしまうのです。

・了解しました→承知しました。に変更

同僚同士の会話で

「○○お願い」

「了解」

と使うこともあるかと思いますが、電話でこれはNGです。

特に客先、先輩には失礼にあたります。何かをお願いされ、快諾するのであれば、了解から「承知」に言葉を変更してください。そうすることで、顔を見ることができない電話であってもイメージアップにもつながります。

・難しい言葉を並べない

空樽は音が高い という故事ことばをご存知でしょうか。中身のある樽を叩けば重々しい音がするが、空の樽を叩いたときは、大きな音がでる、つまり「おしゃべりものは軽薄」」という小見の言葉です。難しい言葉を並べてはいるけれど、伝わっていない可能性があり、ただの「自慢、おしゃべり」となってしまうことがあるのです。

特に電話では、難しい言葉のやり取りは避けたほうが良いでしょう。日本語特有の意味違いが起こることがあるからです。専門家同士で話しているから大丈夫!と自負していても、実際内容の1/3も伝わっていない!ということも度々です。電話では、噛み砕き手短に話すことをお勧めします。

そして、電話でも会話でも、伝えたことよりも、伝わったかが重要です。

・会社名、氏名は、はっきりと

電話をかける側としては、聞き取ってくれるだろうと思うかもしれません。何度も会社名を聞きなおされたり、氏名を確認以外で聞きなおされたりしてはいませんか?

だとすれば、相手に伝えた気になっているだけで伝わっていないのだということです。原因としては、会社名を早口でこもったように言ってはいませんか?電話では、自身が感じるよりもゆっくりとしたテンポで話すことで、より伝わりやすくなり聞き間違いもなくなります。

1分間に350文字程度が聞き取りやすく伝わりやすいとされています。目安にしてください。会社名が長ければ長いほど、伝わりやすさを重視してください。また、氏名で「鈴木」「佐藤」など多くいるであろう苗字の場合は、部署名とフルネームを伝えてください。

伝わりやすく話すことも、電話応対の最低限のマナーです。

・メモをとる習慣

覚えられる内容であってもミスがないようメモを取りましょう。メモは聞き手側においておくと書きやすく、すぐにメモを取ることができます。

・復唱する習慣

伝言内容を復唱し、間違いがないかを確認する習慣をつけましょう。電話番号の間違いが目立ちます。

代引きの支払金額のお知らせの場合は、伝えるほうも、ある程度言葉の感覚をあけて話すことがマナーです。多といえば、153,000円と伝えるのであれば「ジュウ  ゴマン  サンゼン エン」と間に言葉を詰めないようにしましょう。

早く伝えるよりも、正確に伝わるほうが大切なのです。

・社内の人を電話では敬称なしで呼ぶ

外出先や客先からの電話対応では、例え伝える氏名が上司であっても先輩であっても敬称はつけません。

鈴木部長→鈴木

鈴木社長→鈴木

鈴木先輩→鈴木

全員、「鈴木」という事になります。

電話対応で、「今、鈴木部長は席をはずしております。折り返しご連絡いたします」といったならば、間違いです。「鈴木は席をはずしております。」が正しい対応です。先輩なのに、上司なのに失礼ではないか・・と悩むこともあるかと思います。

けれど、悩んでいることはこちら側のことであり、電話対応の相手には全く関係のない悩みです。こちらの都合を押し付けるのではなく、相手の立場に立った対応が必要です。

・電話取次の際、話を中断する際は保留ボタンを押す

電話の取次の際、近くにいる相手の場合、保留ボタンを押さずに「○○さん。一番お電話です。」と伝えてから「ただいまかわります。お待ちください。」といって保留ボタンを押し取り次ぐ方がいます。

この取次方は、相手に失礼です。例え取り次ぐ相手が近くにいたとしても「お待ちください」といって保留ボタンを押してから対象者に呼びかけることが望ましい電話のマナーです。相手にこちらの対応が筒抜けですし、もしかしたら取り次いでもらっては困る相手(ライバル会社の営業が来社しているなど)を考えると保留ボタンを押してからの取次がトラブル回避にもつながります。

そして、年配者あるあるです。受話器の口を押えて、相手を待たせて会話をしていませんか?受話器を押えても今の受話器は高性能です。相手に聞こえています。面倒くさがらず保留ボタンを押しましょう。黒電話の頃は、保留ボタンがなく受話器の口部分を押えおり普通の保留方法でしたが、現在は保留ボタンがある電話機がほどんどです。

保留ボタンを押し、トラブルを回避しましょう。

・返事一つでも印象は変わる。

「はーい」「はいー」「はぃ」とイメージは異なります。

伸ばすことは基本的にはNGです。プライベートでは、OKでもビジネスでは、伸ばさず「はい」という事が大切です。ただ、「はい」と使うのではなく。優しく伝えたいときは、「はぃ」と「い」を「は」よりも小さめに発音します。また、理解を伝えたいときは「は」を強く「い」をいつも通りに発音します。

それだけだけでも、印象は変わります。

・普段よりワントーン高い声で話す。

高すぎる、元気すぎる声は時に耳障りです。

何度「うるさい」と感じたことでしょう。

普段の声よりもトーンを上げるだけでテンションも上がります。上げすぎず、下げすぎず話しやすいトーンのスイッチをみつけてください。

ご自身の声が少し低いと感じるのなら、相手が聞き取りやすいであろうトーンを研究してみてください。高すぎても低すぎても相手は聞き取りにくいのです。

聞き取りやすいトーンを探しておくことが大切です。

・顔は見えないけど、笑顔で対応

気持ちのいい電話対応をしてくださる方の多くが、電話対応時笑顔なのです。顔は見えなくとも笑顔で話すことで声のトーンは変わります。そのトーンは相手へと声を通じて届きますので、笑顔での対応を心がけましょう。

ビジネス電話対応で多いトラブルは、言った・言わない、伝えた・伝わらないです。その多くが電話は万能だと勘違いし、相手を思いやる気持ちを忘れて起こることなのです。伝えたつもりが、後々大きなトラブルを起こすのです。

メールが普及した今でも、やはり急ぎの連絡は電話です。だからこそ、お互い気持ちのよい仕事ができるよう気づかいが必要なのです。

少しの気遣いが、いつか大きな成果となります。顔が見えないからこそより一層丁寧に対応しましょう。

・言い訳よりも誠実さを

間違いを謝罪する際の電話対応は、言い訳よりも「謝罪」→「経緯」→「内容説明」→「対応説明」→「謝罪」の順であるべきだと考えています。

20代前半のビジネスマンに、謝罪をしていただいたことがありません。大きな会社になればなるほど、組織が大きくなればなるほど「謝罪」をする方は減っていきます。謝罪の電話を受けた際、不快な思いをする電話は「言い訳」と「言い分」から伝えられることです。

間違いが判明したのであれば、間違いを謝罪することから始めましょう。言い訳から始まる謝罪は、相手の怒りを買います。こちらの説明にも耳を貸さず、言葉に言葉を重ねてくる言葉尻をネチネチと攻めてこられることもあります。そうなってしまっては、話が進みません。顔が見えないからこそ、「非を認める」ことから始めましょう。

ビジネスシーンでは、時に理不尽に怒られ、指摘をうけ、気持ちの良い電話対応ばかりではありません。どのシーンにおいても「誠実」に対応していれば、相手にも気持ちが通じ理解を示し、スムーズに話を進めることができます。

電話は、少しの気遣いと、伝わる大切さを理解していれば怖いものではありません。気持ちが昂り、大きな声を出しそうになったら「一呼吸」おいて、普段よりも声を低く、遅いスピードで話してみましょう。

冷静に対応できる自信をつけることが、今後のビジネスシーンでも自信を与えてくれるはずです。

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